新聞は読者のみなさんに世の中で起きている出来事を、責任をもって伝える媒体です。新聞記事は信頼性が高いという点において、学校や家庭での学習に活用できる教材になります。
この記事では、新聞アウトプット(視写)によって伸びる力を紹介します。
漢字を書く技能が伸びる
小学校では、日常生活に必要な国語の知識や技能
を身に付けることとして、6年間で漢字が1026字の習得を目指しており、国語の授業で漢字を日々学びます。
こうした、漢字の習得に大切なことは、日常的に漢字を書き、文や文章の中で使うことを習慣にしていくことです。
新聞記事を読み、それらの記事を視写していくことは、
日常生活に必要な国語の知識や技能を身に付けることにつながります。
日常的に新聞記事を視写することを通して、漢字を書き、文や文章の中で使うことは、漢字の読み書きを習得することにつながります。
語彙力が身につく
新聞には子どもにとってはじめて目にする言葉が
表記されていることもあるかと思います。
国語辞典で調べてその意味を調べることも大切なことですが、文脈を通して知らない言葉の意味を推測していくことも大切なことです。
つまり、辞書を使わずに読むことを繰り返し行うことで、言葉の意味を推測する力が身に付きます。
なお、読売KODOMO新聞に関しては、「おしえて!コナン時事ワード」というコーナーがあります。「せいじ」「しゃかい」「けいざい」など分野に応じた言葉の解説をしているので、こちらを活用して時事問題に関する理解を深めることも一つの手立てになります。
こうした記事を視写することで、時事ワードに関する理解を深めたり、語彙力を伸ばしたりすることにつながります。
文章力が伸びる
新聞記事の文章は、一文が短く、主語・述語の関係が読み取りやすく表記されています。
また、「てにをは」の使い方や、句読点の打ち方、段落の分け方といった文章を構成する基本が徹底されており、語句と他の語句との関係や、文章を読みやすくするための工夫を加えた文章のお手本だと捉えられます。
つまり、日常的に新聞記事を視写することを通して、論理的で分かりやすい文章を書くためのトレーニングになります。
なお、一般的に新聞は前文→本記→別稿という順番で紙面が構成されていますが、読売KODOMO新聞では「小分け編集」という独自の編集によって構成されています(藤山・新庄, 2021:48)。
そして、「小分け編集」の新聞記事は、基本的に一本の原稿を400字程度で構成されているため、小学生でも無理のない範囲で日常的に視写することを可能にする分量です。
小学校で実践できる新聞アウトプット(NIE)の具体例に関しては、以下のリンク先をご覧ください。
小学校で実践できる新聞アウトプット(NIE)の具体例を紹介します。
参考文献
新庄秀規・藤山純久『伝える技術はこうみがけ!読売KODOMO新聞・読売中高生新聞の現場から』, 中央公論新社, 2021.
樋口裕一『小学生の学力は「新聞」で伸びる!』, 大和書房, 2011.