新学習指導要領では「主体的で対話的な深い学び」の実現に向けた授業改善を推進していくことが明記されています。これからの時代では、自分自身の考えをもち、他者と共に問題解決し、能動的に学び続けていくための資質・能力を育成していく教育活動が益々求められます。
この記事では、子どもが自分の考えをもつためのトレーニング方法として、小学校で実践できる新聞アウトプット(NIE)の具体例を紹介します。
新聞アウトプットの実践
私が考案した新聞アウトプットとは、子どもが新聞の記事をノートに視写して、その記事について自分がもった考えを書くという学習です。
新聞の記事を視写し、記事に対して、自分の考えを書くことによって、自分の考えをもつことを習慣づけることが主なねらいです。

子ども新聞の特長は、小学生の読解力でも読めるように、短くて分かりやすく編集されているため、子どもでも読みやすくなっています。また、全ての漢字に振り仮名が振ってあるので漢字が読めないという心配がありません。
子ども向けの新聞では、新聞社が様々な工夫を凝らしており、子どもたちは興味をもって取り組んでいる姿が幾度となく見られました。
新聞アウトプットの具体的な進め方
新聞学習では、教師が学校で印刷した「新聞プリント」と「ノート」を用意します。
新聞プリントを配布し、家庭学習としてノートの見開きの左ページに記事(図1)を視写し、右ページにその記事を読んで自分が考えたことを書きます(図2)。
右ページに自分の考えを書く際には、必ず「なぜなら」という、つなぎ言葉を使うことを指導しました。
子どもが「なぜなら」という言葉を使うことで、常に自分なりの根拠を考えることを促すためです。私のクラスでは長期休業日を除いて、週に約5回、新聞学習を行いました。

図1


図2
翌日の朝学習の時間に、新聞ノートをクラスメイトと交換をして、お互いの意見に対してコメントを記述する活動も設定しました。
クラスメイトからのコメントを書いてもらうことで、新しい視点でその記事について考えることができ、一つの記事を多面的な学びにつなげることをねらいとしていました。
新聞アウトプットで対話的で深い学びを実現する
1年間、新聞アウトプットを実践し、子どもたちが社会とのかかわりについて考えた記事は、全部で183記事であり、ノート7冊分の分量になりました。
さらに、新聞アウトプットの実践は、書くだけの学習に留まらず、子どもたちから記事について学級で協議したいという声もあがりました。
そこで、新聞アウトプットをした記事をテーマにして、日本の未来の社会についてみんなで語り合い、協議しました。新聞アウトプットを実践した際の子どもたちの感想を以下に紹介します。
新聞アウトプットの感想