学校給食は教育の一環として位置づいており、子どもたちの健康を守ったり食育を推進したりするための営みです。一方で、安全面を十分に配慮していく必要があります。
この記事では、学校給食における食物アレルギー対応の大原則について紹介していきます。
学校給食の歴史
学校給食は、1889年に「貧困児童を対象に宗教的な救済事業として無償で給与」としての福祉的な事業としてスタートしました。
その後、1946年の「学校給食実施の普及奨励について」において、福祉的な事業から教育的な意味合いが含まれるようになり、1954年に「学校給食法」が制定され、学校給食の法的根拠が明確になりました。
「食育基本法」が2005年に施行されることを法的な根拠として、2006年からは、「食育推進基本計画」が決定し、学校教育においては魅力ある食育推進活動を行うために、①指導体制の充実、②子どもへの指導内容の充実、③学校給食の充実、④食育を通じた健康状態の改善等の推進が推奨されています。
2010年には『食に関する指導の手引き―第一次改訂版―』(文部科学省, 2010)が刊行されています。冒頭には、「食は人間が生きていく上での基本的な営みの一つであり、健康な生活を送るためには健全な食生活は欠かせないものです」と明示されており、望ましい食習慣の形成は、国民的課題であることが強調されました。
なお、2019年に『食に関する指導の手引き―第二次改訂版―』(文部科学省, 2019)が刊行されています。
食物アレルギー対策の動向
2001年の「アレルギー物質を含む食品の表示義務化」(厚生労働省, 2001年施行)によって、「食物アレルギー」という言葉が一般の人々にも少しずつ浸透し、2008年に文部科学省の監修により「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」(日本学校保健会, 2008)が刊行されました。
学校教育においては、食育を推進する一方で、食物アレルギー対策についても推進していますが、痛ましい誤食事故が起きてしまった過去があります。
現在では、「学校給食における食物アレルギー対応指針」(文部科学省, 2015)の中に、学校給食における食物アレルギー対応の大原則が明示されており、教職員が組織的に食物アレルギー対策を推進していくことの基本方針としています。
なお、医療的な観点からは、吾妻・海老澤(2019)が学校における食物アレルギー対応の課題と展望について検討した結果として、学校管理指導表の運用率が上昇し、現在はさらに普及が進んでいることや、地域ごとに多職種連携を進めることで地域の食物アレルギー対応の質を高める重要性が指摘されています。
学校給食における食物アレルギー対応の大原則
以下が、「学校給食における食物アレルギー対応の大原則」(文部科学省:2015)の項目になります。