授業力の向上を目指すために授業の構成要素について確認しましょう

この記事では、授業力を向上させることを目指して、授業の構成要素を説明していきます。

 

構成要素をピックアップ

 

授業には、目標(ねらい)と内容(教材)、方法(学習活動)の3つの構成要素が挙げられます。

 

教師はこれらの3つの構成要素を組み合わせることに一つの授業を実践していきます。

 

3つの要素を吟味して、バランスよく組み合わせる技術によって、ある程度の意図的かつ計画的な授業実践を推進していくことが可能になります。

 

「ある程度」というのは、子どもたちに一方的に教え込むことがよい授業とはいえないからです。

 

 

 


授業は教師と子どもたちの双方向のベクトルによって成立する営みです。

子どもたちが自分の頭で思考し、他者と対話したり、協力したりしながら自己を省察していく過程は、「主体的な学び」にとって重要な要素です。

 

授業の基盤となるのは児童生徒理解

 

先程の要素の基盤として、目の前の児童や生徒を理解する必要があります。

 

人間は多様で、人それぞれに違います。

 

考えるのが得意な人がいれば、苦手な人もいます。

 

運動が得意な人もいれば、苦手な人もいます。

 

家庭の環境もそれぞれにちがいます。

 

一つの授業を構成していくためには、目の前の児童を理解していることが大切です。

 

 

子どもたちの実態に即して、授業の3つの構成要素をどのように組み合わせていくことは、簡単なことではありません。

 

 

 

公的な機関が提示している授業力の6要素

 
なお、授業力には様々な解釈があります。
 
最後に、公共機関が提示している「授業力の6要素」を紹介します。
 
①使命感、熱意、感性

・児童、生徒にどのような力を身に付けさせたいのかという明確な目的

・児童、生徒の学習意欲につながる適切な学習環境づくり 等

 
②児童・生徒理解

・児童、生徒一人一人の学習意欲、学習状況、発達段階の把握

・児童、生徒一人一人の学習状況等を基にした単元(題材)の目標の設定 等

 

③統率力

・授業規律(挨拶、姿勢等)や基本的な学習ルール(発言等)の定着

・的確な指示や説明

・学習状況や児童、生徒の変容に対する対応 等

 

④指導技術

・学習のねらいを達成するための発問、説明

・児童、生徒一人一人への言葉掛け等、個に応じた指導

・ICT機器や教材、教具の効果的活用

・児童、生徒の思考を深める板書計画 等

 

⑤教材解釈、教材開発

・教材解釈や教材開発に関する情報の収集

・学習のねらいや単元ごとの重点内容や留意事項を踏まえた教材解釈や教材開発

・児童、生徒の実態や学校、地域の特色を生かした教材解釈や教材開発 等

 

⑥「指導と評価の計画」の作成・改善

・単元の指導目標を踏まえた指導計画の立案

・学習のねらいに対する評価の観点と場面・方法を設定した評価計画 等

 

授業は一過性と連続性の両側面を備えています。
 

教師は、これらの構成要素を意識しながら、授業実践を行う専門職です。

 

授業力の向上のポイントはこれらの構成要素の一つ一つの質を上げていく必要があります。

 

そして、児童生徒理解を基盤とした学級経営をしっかり実践することが重要です。

 

 
職人として、一人ひとりの児童を大切にし、一つ一つの授業実践を大切にする教師は、一人一人の教え子を大切にする教師だといえるでしょう。
参考文献「東京教師道場研修ハンドブック」,東京都教職研修センター,2019.
 

授業づくりの要素

 
元文部科学省教科調査官である北俊夫先生は、授業づくりの要素について14個を挙げています。
 
①教材:学習内容を身に付けさせるための材料
 
②素材:子どもたちに提示する教材の元になるもの。学習する子どもたちの関心や興味、発達段階をなどの状況に配慮して「教材化」する材料。
 
③資料:子どもたちが実際に学習するときに手がかりにするもの。
 
④学習活動:子どもたちが教材や資料にかかわるときの具体的な活動。例えば、話す、書く、読む、話し合う、討論、発表、調査、観察、見学、実習、実験、製作、演奏、体験、表現など教科の特質を踏まえたものが挙げられます。
 
⑤学習過程:学習活動の順序。「導入」→「展開」→「終末」と呼ばれることが一般的です。
 
⑥発問・指示:教師が授業中に子どもたちへの言葉かけ。
 
⑦学習形態:学習するときの集団の大きさ。
 
⑧指導体制:ティームティーチングやゲストティーチャーを招いたり、学年で合同で指導をしたりすること。
 
⑨教具:主に教師が授業で使用するもの。例えば、チョークや大きな定規、マス黒板、百玉そろばん等が挙げられます。
 
⑩評価:学習に対する進捗状況を適切に把握すること。
 
⑪板書:黒板に文字を書いたり、子どもの意見を反映させたりして黒板に学びの足跡を構成していくこと。
 
⑫学習環境:教室の温度や静穏である状況のこと。
 
⑬学習の場:教室や校外、地域などで学習する機会。
 
⑭指導時間:1単位あたりの授業時間。
 
近年では、GIGAスクール構想に向けて、タブレットが教師用や学習者用に順次整備されてきています。そのため、ICTも授業の構成要素として位置づくことになることを補足しておきます。
 

GIGAスクール構想の詳細については、文部科学省HPのGIGAスクール構想の実現についてをご覧ください。

 
参考文献:北俊夫『若い先生に伝えたい!!授業のヒント60』,文溪堂,2009.
 

授業力を高めるための行動

 
授業の構成要素は大きく6つあるとともに、授業づくりに向けての要素はさらに細分化されています。それらが複合的に関連して一つの授業が展開されていきます。
 
そのため、同じ学習指導案を作成しても、教室ごとに再現される授業は異なります。
 
このような複合的な要素を目の前の学習者の実態に合わせて授業をしていくことは簡単なことではありません。それゆえ、教師は教育の専門職と呼ばれています。
 
従って、授業力を高めるためには、学級経営の力量と授業力を磨くことが必要です。
 
 
 
わたしは経験が浅い時は、これらの記事を実行して授業力の向上に取り組みました。自分の成長は子どもたちの成長につながることを意識することがモチベーションを維持するコツだと考えています。
 
なお、学級経営をサポートするために給食指導や席替えの指導、授業実践に関する記事等を「学級経営で大切なこと<河野辺研究室>」に掲載しています。また、健康を留意していく観点から「週末に心を整えるための方法を紹介します」も掲載しているので、お時間があったらご覧ください。

2023年8月30日に本を出版することになったことを報告させていただきます。

 
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