持続可能な開発目標(SDGs)は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている2030年を期限とする開発目標です。
「誰一人取り残さない(no one left behind)」社会の実現を目指し、先進国も含めて国際社会全体で取り組むこととされており、
政府組織のみならず社会のあらゆる主体が積極的な役割を果たすことが期待されています。
なお、SDGsの詳細について調べたい方のために、文部科学省のHPのリンク先「教育現場におけるSDGsの達成に資する取組 好事例集」を貼っておきます。
すなわち、「持続可能な開発目標(SDGs)について」は、2030年までに人類が乗り越えるべき課題が凝縮して明示されています。
新型コロナウイルスとSDGs
世界中がSDGsに向けての取組を加速させてきましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、世界が未曾有の事態に陥りました。
そして、「差別や偏見のない社会」を人類が目指していくことを改めて考えていく必要性が世界中で幾度となく報道されてきました。
「差別や偏見のない社会」を目指していくという世界共通の課題の克服と、SDGsの「質の高い教育をみんなに」と「平和と公正をすべての人に」は密接な関係があります。
SDGsの「質の高い教育をみんなに」とは、子どもたちのための学校教育を充実させることだけを指しているのではありません。
大人を含めた全ての人がグローバルな視野から学び続けていく教育としての生涯学習の普及に関して強調しています。
そして、SDGsの「平和と公正をすべての人に」とは、人種や性別、高齢者、障害者、外国人であることを理由にして差別されたり、暴力を受けたりすることなく安全で安心な生活を送ること。
多様な「ひと」が集う社会にとって、自他の存在を認めていくためには、初等中等教育における人権教育を実践し、「人間」を大切にしていくことが肝要です。
SDGsの「平和と公正をすべての人に」
SDGsの「平和と公正をすべての人に」を推進していくためには、国際的な動向を踏まえて推奨されてきた「参加型人権学習」を核にした人権教育を学校教育に普及していくことが大切です。
グローバルな視野を備えた「ひと」を育てていくことが一つの方略となります。
阪神淡路大震災や東日本大震災の際の避難所生活を題材として、学習者同士の意見を基にしながら世界人権宣言を学んだり、多様性を尊重していく重要性を学んだりする「参加型人権学習」があります。
これらは、文部科学省や国連が提唱しているとともに、教育実践学の観点から自他の存在を認めることへの成果が論証されている教育実践である。
被災者が必要とする生活上のニーズは人権と深く結びついています。
私たち「人間」が「人間らしく生きる」ために、人権という普遍的な概念を世界基準から学ぶことは、国際基準によって「ひと」を大切にしていく「ひと」を育てることにつながります。
参加型人権学習については、「自他を認めるための授業実践の具体例を紹介します」をご覧ください。
そして、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためにも「差別や偏見のない社会」を人類が目指していくためには、子どもたちだけでなく、大人たちと一緒に人権尊重について改めて考えて、行動していくことが肝要です。
「参加型人権学習」による人権教育の推進は学校教育だけでなく、大人たちを対象とした生涯学習の機会も併せて拡充していくことも大切です。
普遍的な人権の概念を基に多様性を尊重していくという人権文化を飛躍させていくことは、新型コロナウイルス感染症を乗り越えて、「差別や偏見のない社会」への筋道を世界に示していく役割を果たします。